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光る☆

漫画ゲームアニメ映画音楽など。ネタバレ注意。

押井作品の不思議なヒロインたち

押井守

 

イノセンス アブソリュート・エディション [Blu-ray]
 

 

 宮崎作品が男性からはもちろん、女性からも支持されるのは、宮崎監督の女性に対する敬意が作品に表れているからだ。異性に対しての見方というのは作品に滲み出る。
 押井作品も例外ではない。押井監督はあまり自身の恋愛について語らないが、女性のことをよく見ているなあと感心する。
 押井作品のキャラクターたちは生々しい。そこらへんにいそうな駄目なおやじだったり、煙草をぷかぷかさせているような女性だったり。お客さんが感情移入できるよう、キャラクターに共感できるところを持たせるというのはテクニックのひとつだが、それが巧みだ。
 個人的なことをいえば……萌えアニメの記号的なキャラクターも好きだ。可愛いと思う。しかし自分は意外にも健全な思考をしているせいか、二次元のキャラに熱中することは滅多にない。が、押井作品のヒロインたちには少しどきどきしてしまう。
 押井作品のヒロインたちはなにを考えているのかわからない。いろいろな場面でどきどき、ひやひやさせられる。そしていつの間にか目で追っている。あの子のことを考えている。……あれ? これってKOI……?
 押井作品のヒロインたちは不思議な魅力を持っている。そんなヒロインたちの魅力について、攻殻イノセンスを例に考えてみたい。

 

 映画と原作で、素子の印象はだいぶ違う。ビジュアルももちろんだが、内面に関しても映画ではより「よくわからない」感が増している。素子は終始よくわからないことを言う。それは素子が不安定になっているせいもある。が、そこになんとも女性らしさを感じてしまう。
 そしてイノセンスではバトーの寂しい独身生活が描かれる。いろいろと心が痛くなった。そこらへんの恋愛映画真っ青だ。泣ける。イノセンスこそ世の女性におすすめしたい。イノセンスを観れば、女性は男性に優しくなれるはずだ。
 そんなわけで、イノセンスでは素子のたくましさと、バトーのへたれっぷりが対照的に描かれる。共闘したあと、余韻に浸ることもなくあっさり去ってしまう素子と、高揚しているバトーの対比は特にわかりやすい。というか笑った。やはり男と女は違う。

 これまでに何回か使った「よくわからない」というのは、押井さんがうる星のラムに対して言及していたことだ。有名なので、ファンならば説明不要だろう。多くの男性と同様、押井さんにとっても女性とは「よくわからない」存在なのだ。
 「よくわからない」。それをそのまま描いているから、むしろ生っぽく感じる。
 女性は謎の生き物だ。であるとすれば、わからないまま描けばいい。それが魅力になる。

 二次元キャラに恋することはないはずの自分が、素子や水素にどきっとしたのはそのせいである。騙されても仕方がなかった。いや、きっと他にもいるに違いない。押井作品のこのヒロインに恋をしたというひと。熱い想いを、恥ずかしがらずに叫ぼう!

 今日は以上。

 

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