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光る☆

漫画ゲームアニメ映画音楽など。ネタバレ注意。

もっと評価されるべき。なかむらたかし監督作品『ファンタジックチルドレン』『パルムの樹』

 AKIRAにドはまりし、アニメをつくっているひとたちにも興味を持ちはじめた頃。
 あるひとからオススメされたのが、なかむらたかし監督の『ファンタジックチルドレン』だ。「なかむらたかしさんはAKIRA作画監督ジブリ作品にも参加しているひと」と説明され、「AKIRAとは全然絵が違うじゃん」と返した記憶がある。
 次の日。全話録画したVHSを渡された。

 

ファンタジックチルドレン 1 [DVD]

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 一見子供向けにも見える作品だが、内容はかなりエグい。例えるとすれば、富野作品に似たエグさ。とにかく人間の本質を描きすぎている。
 特にキャラクターの表情が絶妙なのだ。本当に細かい。言葉はなくても、その表情だけで泣けてくる。そんなシーンがいくつもあった。シンプルな造形で細かい芝居は難しいだろうによくここまで……と感動する。重心の移動がスムーズで、見ているだけでも気持ち良いのは言うまでもない。なかむら氏の仕事は本当に緻密だ。職人だ。今更自分が語る必要はないだろう。
 山本二三氏の美術も素晴らしい。この素晴らしさは言葉で説明できない。とにかく実際に観るのが早い。
 内容だが、序盤は視聴者置いてけぼりで話が進む。しかし伏線が回収されはじめるところから物語は加速する。そして後半の展開は「もうやめてくれ……」と心が折れる。鬱展開好きなひとにはたまらない展開だろう。
 個人的に打ちのめされたのが、後半、サントラには収録されてない音楽が流れるシーン。演出が神すぎてもう、あれは辛すぎて言葉にならなかった。わかるひとだけわかってくれ……。

 そしてもうひとつ。ファンチルのエグさをさらに凝縮したのが『パルムの樹』。

 

パルムの樹 [DVD]

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 こちらはアニメ映画。世界観には宮崎作品の影響を感じる。テーマの終着点も宮崎作品と同じだが、そこに至るまでの過程は対照的。直接的なグロ描写もある。宮崎作品がひたすら子供至上主義なのに対し、なかむら作品は子供の純粋さ、それ故の残酷さをかなり踏み込んで描いている。
 いろいろ意見もあると思うが、個人的には子供にも観せてみたい作品だ。大人になって観直したとき、子供の頃感じた想いとはまた別の想いを感じてほしい。
 作画ももちろん文句なし。ひたすら丁寧。ファンチルより全体的に無機質だが、それにはもちろん演出的な意図がある。
 なかむら監督作品はもっと評価されて良いはずだ。今の時代あまり暗い作品はウケないのだろうか。まあ確かに体力は必要だ。ぜひ元気なときに観るのをオススメする。

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